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「場所までは特定できなかったか…」
曖昧な言い回しから詳しい場所まで特定出来てないことを悟る。
そもそも、短気なヘイトには無理がある任務だったのだ。
「ピィピィ泣き喚くから殺してやっただけだ…
分かったんなら貴様もピィピィ喚くな。」
現に当の本人は反省の素ぶりすら見せておらず、更に悪びれ悪態をつく。
「君は森林を調べ続けておいてくれ。
僕は山岳地帯の方を洗って見ることにするよ。」
そんなヘイトにうんざりしたようで、探索範囲だけを伝えると足早に去っていく。
「ふん…勝手にしやがれ。
ただの魔族になんか興味ねぇ…」
自らの憎むべき対象を思い浮かべ、憎悪を増幅させる。
「俺様を陥れて居場所も家名も何もかも奪った貴様に…
同じ屈辱を味あわせた上で殺してやる!!」
天に向かって放たれた復讐の狼煙は誰の耳にも届くことはなかった。
しかし、憎悪の火種は誰の目に届かない間にも燃え盛り勢いを増していくのであった。
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