小さなサンタ

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だったら、ボクがパパの代わりにサンタになって、みんなにプレゼントを配りに行こう。 サンタさんの服を着てみた。やっぱりダブダブしてて動きにくいや。 ズボンを引きずりながら、ボクはサンタの格好でママの前に立った。 まずはママにプレゼントだ。 「ママ、ママ。起きて」 不機嫌な声を出しながら、ママが起きた。 ママが驚いた顔をしている。 そうだよね。だってサンタが目の前に現れたんだから。 「フォフォフォ。メリークリスマス」 ボクは出来るだけ低い声で言った。 まだ驚いているママにボクは言った。 「あなたの欲しい物は何かな?」 テレビで見たサンタさんの言葉を真似してみた。 突然、ママが泣き出した。 「私の欲しい物は、もうすでに目の前にあります」 そう言ってボクの体を強く抱きしめた。 「イタイよ……ママ」 それでもママはボクを離さなかった。 「ゴメンね。ゴメンね」
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