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1.始まり
一
午後3時、ドラマの撮影が始まるため、役者やスタッフが、広間に集まってきた。
「皆さん、揃ってますか?」
田原公平が叫んだ。すると突然、CHIKAが、いきなり、大きな声を上げて、飛び出してきた。見るからに青ざめた顔をして。
「どうした、CHIKAちゃん?」
「あのう、秋江さんの姿が見えないんですけど」
「エッ、どういう事?」
「さっき散歩に出る前に、荷物を彼女に預けたんです」
「いつ?」
CHIKAは、3時間前だと行っていた。3時間前といえば、みんながこの屋敷について、自由行動を取り始めた時間だ。
「もしかしたら、帰ったのかもしれないね。田中さん、今日、体調が思わしくない、って言ってたから」
「そんなはずありません。だって、田中さんの荷物、部屋にキチンと置いてあるんですよ」
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