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社会人1年目、はじめてのクリスマスイブの前夜。
サキは電球に色どられ、眩いドレスに身を包んだ駅前のツリーを見上げて小さくため息をついた。
息が白くなるなるほど寒いって言うのに、同い年の彼からはクリスマスデートのお誘い一つないことが余計に情けなくて。
「忙しいのもわかるけどさ」
わかってはいたはずなのに口をついた独り言が労いよりも不満だったことに視線を余計に落として、寒さにマフラーに顔を埋めた。
早く帰ろう。
イルミネーションから視線をはずして、背を向け、駅に向かって踵を返した。
イルミネーションの明るさは今のサキには眩し過ぎた。
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