籠の鳥

2/2
前へ
/2ページ
次へ
籠の鳥。 籠という、家に引きこもり続けている。 籠の外に出ようものなら、羽ばたくことも出来ず、飛ぶこともできない、ただ、ただ、落ちていくだけ、弱く、小さいのだ。 外に広がる世界は輝くのだろうか? 窓から見える世界は眩しいだろうか? 病弱で虚弱な身体は飛ぶことを許されない。 「鳥になりたい」 唯一で、一つの望みすら叶わない。 「鳥になって、どこまでも高くて青い空を飛んでいきたい、どこまでも広くて続いていく地上を見下ろしたい、どこまでも深く暗い海を越えていきたい」 そう、願ってしまう、私は罪深いのだろうか? 見える空は広く、輝いて眩しい。 「鳥になりたい」 もし、生まれ変われるなら。 「自由に飛べる、鳥になりたい」
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加