prologue

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―― マタニティーブルーってやつらしい……なるべく全てを受け入れてやってくれ 碧兄ちゃんは、類ねぇが準備をしているんだと言った。 母親になる為に、精神的に強くなる練習をしているのだと。 「類ねぇ、オレが行ってきてやるよ」 「………ヒック……え?」 『藍?』 「行くってお前……」 みんなが一斉に「何言い出すんだ」と唖然とする中、俺の提案は続く。 「それ、唐津くんち?何時有んの?」 「え?……来月の2日から3日間よ?でも、藍君……」 「瑠一、その日って……」 類ねぇに言われて見た壁に貼られたカレンダー。 『あぁ、……行けるな』 「瑠一さん?本気ですか?!」 「そうよ瑠一っ、私ったらワガママな事をっ……学校があるでしょ!?」 オレと瑠一は互いに目を合わせて笑った。 そう、行けるんだ。 『類、お前仮にも滝高の教師だろ?来月2日は創立記念日だ。』 「そうそう、続く3、4は土日だし!代わり観てくるよ、類ねぇの代わりに。携帯で、画像も送る。……ね?」 最悪、月曜まで法事ということにすればいい。 ニィッと笑うと、類ねぇの涙腺が又しても崩壊した。 「ありがとう、2人とも!」 そうして、オレと瑠一の佐賀への旅が始まったのだ。 .
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