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『っ、……!』 わき腹にチクリと指すような甘い痛みを覚える。 年中俺が藍の上書きをしている【印】が、離れていく唇の下から現れた。 いつまでも俺の視界を遮っては居られないようで、離れた掌は俺の首筋に指を絡めることで落ち着いた。 お陰で視界が開けたのはいいが、……藍の進撃は続く。 ちゅっ……と音を立てては、ジワジワ下に頭が下がっていくのだ。 『こら……藍、そこまでだ』 「……うるひゃい」 まったく……何が「うるひゃい」だ。 口に物入れたまま喋っちゃいけませんって、ガキん時に教わっただろうがっ!
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