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俺が目を覚ました瞬間、目覚まし時計の喧しい雑音染みたアラーム音が、この部屋に鳴り響いた。
それと同時に俺は上半身を起こし、ゆっくりと左手でアラームを止める。
「……煩い」
俺は顰めっ面でそう呟き、布団からのそのそと出た後、立ち上がりリビングへと歩を進める。
「へぇ。そうなんだ。流石陛下だね」
「そうなんだよ!格好良いよな!」
リビングに着いた途端、食卓の椅子に向かい合う様に腰をかけた幼なじみの二人が笑いながら駄弁っていた。
食卓にはなにもない皿が数枚。
成る程もう食べ終わったのか。
そんな風に思っていると、幼なじみ二人は俺に気付いたらしく、笑顔から一変、不快感を顕わにしていた。
俺はその視線に構うことなく幼なじみ二人の横を通り過ぎ、冷蔵庫から牛乳パックを取り出し、グラスに注ぐ。
牛乳が少ないな。後で買いに行くか。
俺はそんなことを考えながら牛乳を飲み干し、空になったグラスをシンクに置き洗面台に向かう。
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