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書類の整理を終えて時計を見ると、22時。
我ながら早く終わらせたなと自画自賛していると、まるでタイミングを計ったように携帯が鳴った。
表示を見ると、親友の町村美砂からだった。
美砂はアナウンススクール時代の友人で、大学は別々だったが仲が良かった。
今は陽子が入社するはずだったテレビ局でアナウンサーをしている。
陽子が内定を取り消された代わりに内定をもらって入社していた。
別にそのことは怨んではいない。
「もしもし、陽子!今何してる?」
電話に出ると、美砂の弾けた声が聞こえてきた。
「ん?今仕事が終わったところ。」
「えー、まだ会社?」
「うん。若輩者だからね。」
笑って答える。
「明日休み?」
「え・・・うん。デート中止になっちゃった。」
正和には紹介してあった。
「えー、そうなの?じゃあ飲みに行かない?」
「行く行く!」
気晴らしの相手に、明るい美砂はもってこいだ。
「じゃあね・・・。」
美砂と待ち合わせをして、電話を切った。
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