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雲一つ無い空。
出来ることなら病室の窓からではなくて、屋上みたいな広い所から見上げたかった。
これで何度目の入院だろう?
私はもともと身体が弱く、小さい時から入退院を繰り返していた。そのせいか、友達と呼べる人は皆無だ。
友達はいない。だが、幼なじみ兼親友はいる。小学生の時からの付き合いで、高校生になった今でも仲良くしている。
高校と言えば、一年の時はギリギリでどうにか上がれたが、今のままだと卒業は愚か進級だって危ない。 進級出来ないのであれば、私は学校を辞める気でいる。父さんや母さんには悪いけど留年なんてごめんだ。それに行けないのにお金を払うのは癪だ。
「そう言えば、今年は修学旅行があるんだっけ」
ふと思い出して呟くと、病室のドアがノックされた。
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