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『これからは....ちゃんと素直になろうと。ちゃんと....伝えようと。そして....私が生まれました。』
私....?
オリオンの声はなにかを踏ん切ったような声だった。
『私がって....オリオンが?』
俺はすかさず質問をぶつける。
すると、オリオンは軽く頷くと話終わったように後ろを向いて駆け出した。
『おいっ....ってえっ?!待て!』
俺は焦りながら立ち上がってオリオンを追いかける。しかし、もう俺の前にはオリオンの姿はなかった。
『はぁ....はぁ...はぁ....なんなんだよ!!』
俺は自分の家まで走ってくるとガムシャラに電柱を蹴った。
オリオンはとてつもなく足が速かった。俺なんかが追いつけるような速度ではない。
『誰....なんだよっ....』
俺はあの短いおとぎ話のような話を頭の中でぐるぐるさせる。
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