ある日。ある夜。

8/12
前へ
/16ページ
次へ
『これからは....ちゃんと素直になろうと。ちゃんと....伝えようと。そして....私が生まれました。』 私....? オリオンの声はなにかを踏ん切ったような声だった。 『私がって....オリオンが?』 俺はすかさず質問をぶつける。 すると、オリオンは軽く頷くと話終わったように後ろを向いて駆け出した。 『おいっ....ってえっ?!待て!』 俺は焦りながら立ち上がってオリオンを追いかける。しかし、もう俺の前にはオリオンの姿はなかった。 『はぁ....はぁ...はぁ....なんなんだよ!!』 俺は自分の家まで走ってくるとガムシャラに電柱を蹴った。 オリオンはとてつもなく足が速かった。俺なんかが追いつけるような速度ではない。 『誰....なんだよっ....』 俺はあの短いおとぎ話のような話を頭の中でぐるぐるさせる。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加