おまけ

2/2
前へ
/14ページ
次へ
「…雪乃」 名前を呼ぶいつもより艶めいた声と、長い指が柔らかな髪をゆっくり梳いていく心地よさに、雪乃は小さな吐息を漏らした。 そんな雪乃の顔を上から覗き込み洋介が微笑む。 「雪乃も欲しい?花束」 洋介の手が頬を包み、指先で優しくなぞる。 「ん…、貰えたら、嬉しいけど。…洋介さん?」 「何?」 瞼に触れる唇。 「…お花、買うの、恥ずかしいでしょう?」 「平気だよ、雪乃が喜んでくれるなら…」 「…やっぱり甘い」 「え、何?」 「私といる時の洋介さん、甘すぎるって、まゆちゃんが…っ」 少し体の位置をずらすように動いた洋介が、雪乃の耳元で囁く。 「そう思う?」 自分だけが聞ける声に雪乃が頷くと、 首筋を滑っていく唇が呟いた。 「雪乃の方がもっと甘い…」 おわり ・
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

483人が本棚に入れています
本棚に追加