夜明けを求め、虚ろに舞う

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(…目覚め最悪)  寝不足か、はたまた過去を夢見ていた所為か。 たった今起きたばかりにも関わらず、爽快感は欠片もない。 そもそも爽やかな目覚めなんて存在した覚えがないのだが、今日は一段と酷いように思う。 しかし急遽与えられた‘命令’のお陰で溜まった破壊衝動は吐き出せたし、仕事を怠れば生活に差し障る。 故に二度寝を諦めた涙緋は、唸り声と共に体を起こした。 「ったくよ…もう少し燃費よく造れっての、腐れ狼め」  恒例の恨み言を、忘れずに呟いて。 .
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