救いの手

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社会人になって、四年の歳月が流れた。 これといって誇れる何かがあるわけじゃないが、 そんな俺でも唯一、人が羨むほどのものを手にしている。 「櫂(かい)、ごめん!待った?」 スマホをいじって、時間潰しをしていた俺に足早に近付いてきた彼女。 ロングヘアでウェーブがかかったナチュラルブラウンの綺麗な髪を揺らして、駆け寄る姿にほっとする。 「いや、さっき来たとこ。」 思わず緩む口元は隠せない。というか敢えて隠さない。 だって、俺の自慢の彼女だから。 「よかった」なんて首を少し傾けて息を整える彼女を見つめていると、改めてじっくりその顔を分析してしまう。 小さ過ぎず、大き過ぎない綺麗な二重の澄んだ瞳に、バランスのいい高めの鼻筋。 笑うとさらに、彼女の魅力が高まる,まるでコスメのCMで使われるような唇。 その顔に欠点など一つも見当たらない。
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