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「間宮、人気者だね」
「あ……うん」
間宮くんはダウンジャケットに赤いチェック柄のシャツを着ていた。
とても似合っている。
「……千鶴。こんなこと言いたくないけど、そろそろ諦めなよ」
友達の言葉に、胸がえぐられた。
自分でも、そう思っている。
だけど、気づいたら、彼を目で追っているのだから。
皆でガヤガヤとカラオケのパーティールームに入る。
クラスのほとんどが来たんじゃないかってくらいの、大人数だった。
「間宮ー、一番はじめにおまえ歌えよー」
「おう、任せとけ!」
ニカッと笑う間宮くんに、私はほうっと見惚れてしまう。
他のひとが歌を歌っていても、私は彼を見てしまう。
1年経ったのに、まだこんなにすきだなんて。
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