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藤堂くんはホットコーヒーとミルクティーをトレイにのせて、席へと運んできた。 彼はホットコーヒーに何もいれずに、口にした。 その姿を見て、私もミルクティーを口にする。 ただのクラスメイト。 間宮くんに、言われたことばがグルグルと脳内を回る。 涙腺が緩んでしまい、また、じわっと涙がでてきた。 藤堂くんに迷惑になるかもしれないというのに。 「我慢するな。泣いていい」 やさしくかけられたことばと大きな手に、私の涙腺は崩壊してしまった。 お店で泣くだなんて、まわりからは好奇な目でみられてしまうというのに。 藤堂くんは嫌な顔ひとつせず、私の頭を撫でた。 .
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