304人が本棚に入れています
本棚に追加
藤堂くんはホットコーヒーとミルクティーをトレイにのせて、席へと運んできた。
彼はホットコーヒーに何もいれずに、口にした。
その姿を見て、私もミルクティーを口にする。
ただのクラスメイト。
間宮くんに、言われたことばがグルグルと脳内を回る。
涙腺が緩んでしまい、また、じわっと涙がでてきた。
藤堂くんに迷惑になるかもしれないというのに。
「我慢するな。泣いていい」
やさしくかけられたことばと大きな手に、私の涙腺は崩壊してしまった。
お店で泣くだなんて、まわりからは好奇な目でみられてしまうというのに。
藤堂くんは嫌な顔ひとつせず、私の頭を撫でた。
.
最初のコメントを投稿しよう!