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「ごめんね。藤堂くん……せっかくのクリスマスパーティに参加しに来たのに、私の面倒みてもらって……」 ひとしきり泣いた後、藤堂くんは冷めたコーヒーを口にしながら、首を横に振った。 「いや。俺は不参加で出した」 「え?」 「何もなければいいと思ったんだ。だが、心配だったんだ」 どういうことだろう。 藤堂くんの言葉を不思議に思いながら、私は髪を耳にかけた。 「……そうだよな。こんな言い方じゃあ、伝わらないな」 「え?」 藤堂くんはまっすぐ私を見つめ、黒縁の眼鏡をかけ直した後、 「早瀬が間宮のことで悲しい思いをしていないか、心配だった。だからカラオケ屋の前にずっといた」 「え……と、藤堂くん、なんで知って……」 間宮くんと私が付き合っていたのは、短期間で。 それに、クラスでは公にしなかったからほとんどの人が知らない。 藤堂くんは一年の時クラスが違ったから余計に。 「俺は、早瀬がずっと間宮を見ていたことを知っている。俺も……早瀬をずっと見ていたからな」 「え……あ……」 藤堂くんは、同じ日本史係で。 共通の話題は、歴史とクラスの話くらいで。 「あっ……」 藤堂くんの熱い視線が私にぶつけられる。 .
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