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「じゃあな、早瀬」 いつもは表情を崩さない藤堂くんが、微笑しながら去っていった。 「平気?間宮となんかあったのかと思って」 姿を消していた私を心配してくれた友達が、カラオケ屋さんの入り口で待っていた。 友達は心配だったのか、ぎゅっと私を抱きしめてきた。 「うん、今は大丈夫。ごめんね、心配させちゃって」 私もぎゅっと抱きしめ返した。 「……千鶴……藤堂となんかあった?」 「え……、なんで?」 「いつも仏頂面なアイツがあんな顔していたら、誰だってそう聞くって!」 興味津々な彼女に、私は一生懸命はぐらかした。 「あー、千鶴。なんかあったでしょう。頬が赤いよ?」 ……言えない。 『すきだ、早瀬。クリスマスイブ、二人で会おう』 と、藤堂くんに言われたなんて。 .
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