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「早瀬」 「な、なに?」 「ぼうっとしていると、壁にぶつかるぞ」 「あ、うわあっ」 ――ばさばさばさっ 時すでに遅し。 持っていたノートが床に散らばし、私は尻もちをついた。 「ほら、立てるか?」 「う、うん……」 藤堂くんは手を差し伸べてくれて、私はそれを掴んだ。 「早瀬はいつも持ちすぎだ」 床に落ちたノートを拾い、藤堂くんは彼が持っているノートの束の上にのっけた。 「何、みてた?」 「えっ、な、なんにも」 「そうか」 .
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