304人が本棚に入れています
本棚に追加
「……帰るか」
「あ、うん。じゃあ、ね」
「……ああ」
藤堂くんはカバンを持ち、コートを羽織ると教室から出て行った。
私はというと、誰もいなくなった教室からサッカー部の練習を見る。
「間宮ー、パスまわせー」
少し茶色の髪を揺らして、全速力で走る彼。
シュートを決める彼の姿に、女の子が歓声を上げる。
爽やかな笑みで、とある女の子に手を振る。
あの素敵な笑顔は、もう私には向けられない。
.
最初のコメントを投稿しよう!