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「……帰るか」 「あ、うん。じゃあ、ね」 「……ああ」 藤堂くんはカバンを持ち、コートを羽織ると教室から出て行った。 私はというと、誰もいなくなった教室からサッカー部の練習を見る。 「間宮ー、パスまわせー」 少し茶色の髪を揺らして、全速力で走る彼。 シュートを決める彼の姿に、女の子が歓声を上げる。 爽やかな笑みで、とある女の子に手を振る。 あの素敵な笑顔は、もう私には向けられない。 .
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