* 01 幕開け

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──────…… リア(M) 「あれ……兄上は、いつ亡くなられたのだっけ。」 ヴァン 『どうした、リア。』 リア(幼少) 『お兄様……、僕は……お兄様みたいに、やっぱりなりたいです!』 ヴァン 『リア……』 リア(幼少) 『だって、お兄様は痛みを知ってるから、誰かを守れて……知らないままで、民は、僕という人間に納得しない気がするのです!』 ヴァン 『リアが優しい王様になれるよう、俺が出来るだけフォローする。』 リア(幼少) 『兄さま!』 ヴァン 『リア。結論は急がなくていい。まだ幼いお前がなにかを背負う必要はない。まだな』 リア(幼少) 『嫌です……!僕は……僕だって……!』 ヴァン 『じゃあ』 リア(幼少) 『……はい』 ヴァン 『俺が迷ったら、苦しんだら、助けてほしい。』 リア(幼少) 『……!そ、そんなの当たり前です……!』 ヴァン 『───……無理して敬語なんか使わなくていいよ、リア。お前のままでいればいい』 リア(M) 「"僕のまま"とはなんだろうか。ぐるぐるぐるぐる。兄上は、どうして。僕は、なんで。嫌な感じ。ぐるぐるぐるぐる。」 ヴァン 『リア、母上に叱られたんだって?』 リア(幼少) 『……ずびっ。叱られてません!……う、 ひっく』 ヴァン 『号泣じゃないか。……何やったんだ?』 リア(幼少) 『ずびび。……兄として威厳を持ちなさいって』 ヴァン 『そんなことを?リアはまだ、そんなのなくていいだろうに』 リア(幼少) 『頑張ります……にいさ……兄上』 ヴァン 『…………。』 (きょとん) リア(幼少) 『兄上っ、アーニャは素晴らしい妹になるでしょうねっ』 (笑顔) ヴァン 『どうした、いきなり』 リア(幼少) 『夜泣きもしない素敵な娘だと、かあさ……母上が喜んでおられましたっ。きっと素敵な、王女になるのでしょう。』 ヴァン 『リア……』 ヴァン(M) 『神様は、なんてリアに冷たいのだろう。』 ヴァン 『お前今日は、』 リア(幼少) 『では兄上、僕はお稽古に行って参ります!!』 リア(M) 「いつの……記憶……?」 ────────…… クロッティ 「アーニャさまー!アーニャさま……?……え?いったいどこへ……?」
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