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──────……
リア(M)
「あれ……兄上は、いつ亡くなられたのだっけ。」
ヴァン
『どうした、リア。』
リア(幼少)
『お兄様……、僕は……お兄様みたいに、やっぱりなりたいです!』
ヴァン
『リア……』
リア(幼少)
『だって、お兄様は痛みを知ってるから、誰かを守れて……知らないままで、民は、僕という人間に納得しない気がするのです!』
ヴァン
『リアが優しい王様になれるよう、俺が出来るだけフォローする。』
リア(幼少)
『兄さま!』
ヴァン
『リア。結論は急がなくていい。まだ幼いお前がなにかを背負う必要はない。まだな』
リア(幼少)
『嫌です……!僕は……僕だって……!』
ヴァン
『じゃあ』
リア(幼少)
『……はい』
ヴァン
『俺が迷ったら、苦しんだら、助けてほしい。』
リア(幼少)
『……!そ、そんなの当たり前です……!』
ヴァン
『───……無理して敬語なんか使わなくていいよ、リア。お前のままでいればいい』
リア(M)
「"僕のまま"とはなんだろうか。ぐるぐるぐるぐる。兄上は、どうして。僕は、なんで。嫌な感じ。ぐるぐるぐるぐる。」
ヴァン
『リア、母上に叱られたんだって?』
リア(幼少)
『……ずびっ。叱られてません!……う、
ひっく』
ヴァン
『号泣じゃないか。……何やったんだ?』
リア(幼少)
『ずびび。……兄として威厳を持ちなさいって』
ヴァン
『そんなことを?リアはまだ、そんなのなくていいだろうに』
リア(幼少)
『頑張ります……にいさ……兄上』
ヴァン
『…………。』
(きょとん)
リア(幼少)
『兄上っ、アーニャは素晴らしい妹になるでしょうねっ』
(笑顔)
ヴァン
『どうした、いきなり』
リア(幼少)
『夜泣きもしない素敵な娘だと、かあさ……母上が喜んでおられましたっ。きっと素敵な、王女になるのでしょう。』
ヴァン
『リア……』
ヴァン(M)
『神様は、なんてリアに冷たいのだろう。』
ヴァン
『お前今日は、』
リア(幼少)
『では兄上、僕はお稽古に行って参ります!!』
リア(M)
「いつの……記憶……?」
────────……
クロッティ
「アーニャさまー!アーニャさま……?……え?いったいどこへ……?」
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