* 02 夢遊の病

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アーニャ 「ゲホゲホッ……はぁ……はぁ……ここからは、森……だよね??でも、森っていうか蕀がいっぱい……?」 アーニャ(M) 「お兄様が読んでくれた本とは少しだけ違う。真っ暗だけど、怖いけど、でもこんな蕀があって、何もない雰囲気の森なんて───……」 アーニャ 「……お薬は、どこ?」 アーニャ(M) 「こわい。なにこの雰囲気!」 ──ガサッと棘を掻き分ける音 アーニャ 「!!」 リヒュタルト 「焦んなよヴァン、気づかれちまったじゃねぇか。」 ヴァン 「それでいい。」 アーニャ 「……ひと…………あ、あのっ」 リヒュタルト 「どうかしたのかい、お姫様」 アーニャ 「あのッ、お薬を探し───……てて…………え?お姫様?」 リヒュタルト 「お薬?なんの?」 アーニャ 「お兄様が目覚めなくて。眠り病を治してほしいの!だから、お薬をさがしてて……お兄様がこのまま目覚めなくなるのは、怖くて。」 リヒュタルト 「自分には使わないんだ?」 アーニャ 「え……?」 リヒュタルト 「お姫様の病気を、治すのが先決じゃなくてか?」 アーニャ 「どうして……アーニャのこと……」 リヒュタルト 「ああ、"お兄様"を起こして、自分は死にたいってか?」 アーニャ 「違……違うよ……」 リヒュタルト 「じゃあ、なんでいま。"お兄様"を起こしたいの?」 アーニャ 「貴方には関係ないもん!」 リヒュタルト 「"自分"のためだろ?クククッ」 アーニャ 「違う!お兄様は眠ってたら、ダメなの。お兄様がいなくちゃ、国は……国は……!」 リヒュタルト 「なあ、お姫様。"ブラッディナイトメア"って知ってる?」
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