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アーニャ
「ゲホゲホッ……はぁ……はぁ……ここからは、森……だよね??でも、森っていうか蕀がいっぱい……?」
アーニャ(M)
「お兄様が読んでくれた本とは少しだけ違う。真っ暗だけど、怖いけど、でもこんな蕀があって、何もない雰囲気の森なんて───……」
アーニャ
「……お薬は、どこ?」
アーニャ(M)
「こわい。なにこの雰囲気!」
──ガサッと棘を掻き分ける音
アーニャ
「!!」
リヒュタルト
「焦んなよヴァン、気づかれちまったじゃねぇか。」
ヴァン
「それでいい。」
アーニャ
「……ひと…………あ、あのっ」
リヒュタルト
「どうかしたのかい、お姫様」
アーニャ
「あのッ、お薬を探し───……てて…………え?お姫様?」
リヒュタルト
「お薬?なんの?」
アーニャ
「お兄様が目覚めなくて。眠り病を治してほしいの!だから、お薬をさがしてて……お兄様がこのまま目覚めなくなるのは、怖くて。」
リヒュタルト
「自分には使わないんだ?」
アーニャ
「え……?」
リヒュタルト
「お姫様の病気を、治すのが先決じゃなくてか?」
アーニャ
「どうして……アーニャのこと……」
リヒュタルト
「ああ、"お兄様"を起こして、自分は死にたいってか?」
アーニャ
「違……違うよ……」
リヒュタルト
「じゃあ、なんでいま。"お兄様"を起こしたいの?」
アーニャ
「貴方には関係ないもん!」
リヒュタルト
「"自分"のためだろ?クククッ」
アーニャ
「違う!お兄様は眠ってたら、ダメなの。お兄様がいなくちゃ、国は……国は……!」
リヒュタルト
「なあ、お姫様。"ブラッディナイトメア"って知ってる?」
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