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ヴァン
「────……」
(困惑)
リヒュタルト
「黒猫が……横切った……!」
ヴァン
「!…………リヒュタルト、行くぞ。俺はお前も黒猫も止めてみせる。」
リヒュタルト
「…………ふぅ。言ってろよ、バカ。」
ヴァン
「治まったなら行くぞ。」
────────……
クロッティ
「アーニャ様。何故、勝手に出られたのです。」
アーニャ
「………………………………お兄様を……助けたかったから。」
クロッティ
「ですから──」
アーニャ
「クロッティ……。アーニャ、解ってるよ……。」
クロッティ
「アーニャ様?」
アーニャ
「でも……ダメ、なの。我慢、出来ないよ……」
クロッティ
「……。アーニャ様。私は、アーニャ様の命を長くしたいのです。」
アーニャ
「え?」
クロッティ
「私も、アーニャ様のように病が酷かったんですよ。長く生きられないと言われてきました。」
アーニャ
「クロッティが……?」
クロッティ
「憐れみも同情もいらなかった……私は、見放されることが何より怖かった。どうせ、死ぬのだからと────いなかったことにされるのが怖かった。薬も、手に入らない。貧乏でしたから……私、耐えられなくなってある日、村から離れた場所で生きたい、と叫びました。」
「その時、黒猫が現れました。」
アーニャ
「黒猫?」
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