* 03 夢から醒めた

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──城── クロッティ 「アーニャさま……本当に、良いのですね……?」 アーニャ 「ゴホッゴホ!……大丈夫、もう後悔はしないから……それに─────……死ぬ前に、お兄様と会いたい。」 クロッティ 「…………そう、ですか。」 クロッティ(M) 「残酷なのは、だれ?」 ──クロッティ、リアに触れる。 クロッティ 「行きますよ、アーニャ様。」 アーニャ 「ええ」 ──薬を一滴、リアの唇にたらす。 ──辺りは突然暗くなり、次の瞬間、燃えた街にいる。 アーニャ 「ここ……は……?」 クロッティ 「リア様の、夢世界でしょうか……ですが、この街は昨日燃えてしまったのに、何故。」 黒猫 「悪夢へ引きずりこんだのさ。」 クロッティ 「!?」 黒猫 「随分な裏切りをありがとう、クロッティ。」 アーニャ 「本当に……猫……ただの」 黒猫 「偏見かい?ブラッディナイトメア……触れぬ事が口惜しい!我の力で、捻り潰せるのならとっくに死んでいるような小娘が……!」 アーニャ 「アーニャは、どうせ死ぬのに……なんで」 黒猫 「王家の!王家のブラッディナイトメアさえ消せば、もう生まれないのだよ。ブラッディナイトメアは、王家が長らく引きずった最悪の結末。だが、寿命ではなく、"他人"がお前を殺すこと……。あぁ、憎い憎い小娘!どれだけ、待ちわびたか。」 クロッティ 「させません、黒猫!」 黒猫 「クロッティ。ここは、夢の中。我の力は、普段通り。結界もなく、小娘にやっと触れられる夢の中なんだよ」 (笑み) クロッティ 「アーニャさま……リア様が危険です。探してください!」 アーニャ 「う、うんっ」 黒猫 「たてつくのかい小娘がァ!」 クロッティ 「確かに、絶望の淵にいた私を助けてくださったのは、貴方だけです……ですが、アーニャ様を、どうか最後まで……」 黒猫 「クロッティ……お前は、バカだね。」 クロッティ 「…………え?」
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