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──城──
クロッティ
「アーニャさま……本当に、良いのですね……?」
アーニャ
「ゴホッゴホ!……大丈夫、もう後悔はしないから……それに─────……死ぬ前に、お兄様と会いたい。」
クロッティ
「…………そう、ですか。」
クロッティ(M)
「残酷なのは、だれ?」
──クロッティ、リアに触れる。
クロッティ
「行きますよ、アーニャ様。」
アーニャ
「ええ」
──薬を一滴、リアの唇にたらす。
──辺りは突然暗くなり、次の瞬間、燃えた街にいる。
アーニャ
「ここ……は……?」
クロッティ
「リア様の、夢世界でしょうか……ですが、この街は昨日燃えてしまったのに、何故。」
黒猫
「悪夢へ引きずりこんだのさ。」
クロッティ
「!?」
黒猫
「随分な裏切りをありがとう、クロッティ。」
アーニャ
「本当に……猫……ただの」
黒猫
「偏見かい?ブラッディナイトメア……触れぬ事が口惜しい!我の力で、捻り潰せるのならとっくに死んでいるような小娘が……!」
アーニャ
「アーニャは、どうせ死ぬのに……なんで」
黒猫
「王家の!王家のブラッディナイトメアさえ消せば、もう生まれないのだよ。ブラッディナイトメアは、王家が長らく引きずった最悪の結末。だが、寿命ではなく、"他人"がお前を殺すこと……。あぁ、憎い憎い小娘!どれだけ、待ちわびたか。」
クロッティ
「させません、黒猫!」
黒猫
「クロッティ。ここは、夢の中。我の力は、普段通り。結界もなく、小娘にやっと触れられる夢の中なんだよ」
(笑み)
クロッティ
「アーニャさま……リア様が危険です。探してください!」
アーニャ
「う、うんっ」
黒猫
「たてつくのかい小娘がァ!」
クロッティ
「確かに、絶望の淵にいた私を助けてくださったのは、貴方だけです……ですが、アーニャ様を、どうか最後まで……」
黒猫
「クロッティ……お前は、バカだね。」
クロッティ
「…………え?」
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