* 03 夢から醒めた

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───────── リア(幼少) 『兄上、戦に出られるのですね』 ヴァン 『ああ。此度は長くなるかもしれない。』 リア(幼少) 『兄上……どうか、お無事で』 ヴァン 『ありがとう。行ってくるよ、リア』 リア(M) 『無事に、と祈る願いが叶わないなんて。』 リア(幼少) 『兄上が……死んだ……?』 『……うそだ……。うそだ!兄上は、そんな弱くない!兄上は、王様になれるくらい強いんだ!そんな───ッ!うそだぁぁあっうっうわぁぁあぁぁあんっ!』 リア(M) 「秘密。兄上が死んだことは、アーニャには言えない。兄上は、いなかった。アーニャの兄とは、僕だけ。」 ──────── アーニャ 「あっちにいるの、クロッティ!」 ──人影を見つけて走り出すアーニャ リア 「アーニャ、勝手に行ったら駄目だ!」 アーニャ 「え?ゴホッゴホ……あ……」 リア 「病が悪化してる……。アーニャは、走ったらいけないよ。」 アーニャ 「ごめんなさい……でも、クロッティを早く助けなくちゃ」 リア 「僕がいく。アーニャはゆっくり、向かって」 ──リア走り出す アーニャ 「あっ……行っちゃった」 ───… クロッティ 「クッ!!」 黒猫 「口だけか?こんな弱い力で、誰を守ろうとしていたのかえ?任務を放棄し、我を裏切り、つくづく呆れたよ」 ──黒猫の術がクロッティを締め付ける クロッティ 「あぁぁあっ!」 リア 「クロッティ!」 クロッティ 「ぁあっ……リア……さま」 黒猫 「王子、か」 リア 「クロッティも、アーニャも次期王の俺が必ず守る!」 黒猫 「人間とは、なんと愚かだろうな。」 リア 「……?」 黒猫 「皆(みな)が幸せになれるなんてこと、あるわけがなかろうに」 クロッティ 「う……ぁぁぁあっ!」 リア 「どうした!?クロッティ!」 黒猫 「余興を見せたまえ。我を裏切ったのだからな、クロッティ」 クロッティ 「あぁ──────ッ!!」 ──クロッティの手が変形し、手は大きく、爪は鋭く鋭利なものになる。 リア 「────────ッ!!」 ──クロッティの攻撃を、リアは剣で受け止める。 リア 「……ック!」
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