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リア(幼少)
『兄上、戦に出られるのですね』
ヴァン
『ああ。此度は長くなるかもしれない。』
リア(幼少)
『兄上……どうか、お無事で』
ヴァン
『ありがとう。行ってくるよ、リア』
リア(M)
『無事に、と祈る願いが叶わないなんて。』
リア(幼少)
『兄上が……死んだ……?』
『……うそだ……。うそだ!兄上は、そんな弱くない!兄上は、王様になれるくらい強いんだ!そんな───ッ!うそだぁぁあっうっうわぁぁあぁぁあんっ!』
リア(M)
「秘密。兄上が死んだことは、アーニャには言えない。兄上は、いなかった。アーニャの兄とは、僕だけ。」
────────
アーニャ
「あっちにいるの、クロッティ!」
──人影を見つけて走り出すアーニャ
リア
「アーニャ、勝手に行ったら駄目だ!」
アーニャ
「え?ゴホッゴホ……あ……」
リア
「病が悪化してる……。アーニャは、走ったらいけないよ。」
アーニャ
「ごめんなさい……でも、クロッティを早く助けなくちゃ」
リア
「僕がいく。アーニャはゆっくり、向かって」
──リア走り出す
アーニャ
「あっ……行っちゃった」
───…
クロッティ
「クッ!!」
黒猫
「口だけか?こんな弱い力で、誰を守ろうとしていたのかえ?任務を放棄し、我を裏切り、つくづく呆れたよ」
──黒猫の術がクロッティを締め付ける
クロッティ
「あぁぁあっ!」
リア
「クロッティ!」
クロッティ
「ぁあっ……リア……さま」
黒猫
「王子、か」
リア
「クロッティも、アーニャも次期王の俺が必ず守る!」
黒猫
「人間とは、なんと愚かだろうな。」
リア
「……?」
黒猫
「皆(みな)が幸せになれるなんてこと、あるわけがなかろうに」
クロッティ
「う……ぁぁぁあっ!」
リア
「どうした!?クロッティ!」
黒猫
「余興を見せたまえ。我を裏切ったのだからな、クロッティ」
クロッティ
「あぁ──────ッ!!」
──クロッティの手が変形し、手は大きく、爪は鋭く鋭利なものになる。
リア
「────────ッ!!」
──クロッティの攻撃を、リアは剣で受け止める。
リア
「……ック!」
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