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クロッティ
「ごめんなさい……リア様……私、私の意思で動けません……ぁぁぁぁあ!」
──リアに爪で何度も襲いかかる。
リア
「いったい、なにがどうなっているんだ……?」
黒猫
「呪いだよ……我を裏切った汚い小娘への罰。」
クロッティ
「逃げてください、リア様!アーニャ様を連れて、早く!」
リア
「だが、クロッティ……」
クロッティ
「私は構いません……どうか……アーニャ様を!どうせもう長くない命……どうか、現実へ……夢から覚めてお戻りください!」
アーニャ
「ダメ……ダメよ、クロッティ」
クロッティ
「アーニャ……さま」
アーニャ
「クロッティは友達なの。お兄様、クロッティを助けて!」
クロッティ
「───────逃げてぇぇぇぇえッ!!」
──アーニャへ襲いかかるクロッティ。
リア
「アーニャ!」
──剣でなんとか持ちこたえようとするが
リア
「剣が……ッ!!」
──ヒビが入り、折れる。
クロッティ
「やめ……て……」
──クロッティの爪が、アーニャを襲う。
アーニャ
「きゃぁぁぁぁあああっ!」
リア
「アーニャ!」
黒猫
「クククッ」
アーニャ
「あ────……」
──アーニャの体から赤い液体が噴き出す。
アーニャ
「あ……あ……ッ!!」
リア
「アー……ニャ」
黒猫
「よくやった、クロッティ。我は戻る。死ぬのだ、小娘が。ようやく、願いが叶うのだ。我は長いこと待ったのう。あとは見ずとも解る。最後に、王子を殺すのだ。クククックーックックック!」
──黒猫が消える。
クロッティ
「アーニャさま……たすけて……アーニャさまを……私の命は、いらないから……あ……うぅうっ!」
リア
「アーニャ……アーニャ!しっかり、アーニャ……」
アーニャ
「はや…く…………にげ……て……いまなら……クロッティは、ゆめ……なかで……。わたし、ね……もう長くない……から。だから…………泣かないで……わた、し……友達と……死ねるなんて……しあわせ、ものだね」
リア(M)
「夢なら、覚めたらアーニャが元気だろう。クロッティもかわらず笑みを浮かべるだろう。なぜだ、なぜ、悲しい終わり?」
リア
「アーニャ……」
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