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リヒュタルト
「お前ッ!」
ヴァン
「泣くな。」
リヒュタルト
「あァ?お前になにが解るんだよ!僕はさァ、楽しんでるの。解らない?」
ヴァン
「その血に、泣いているのではなく?」
リヒュタルト
「お前……なんで……ッ」
ヴァン
「これほどまでの力を持っているのは、その血だと……考えるだろう」
リヒュタルト
「─────ッ!!誰が好き好んでこんな血を継ぐよ!うんざりだ……うんざりだよ……勝手に産んで勝手に捨てて……誰も僕を愛してなんかないんだッ!だったらさァ、いらないよね?僕を必要としない世界もなにもかも。だからさァ、お前も、死ね」
──リヒュタルトが走り出す
──サラリとヴァンは避ける
ヴァン
「お前に俺は殺せない。」
リヒュタルト
「あァッ!?」
ヴァン
「俺と一緒に、逃げよう。」
リヒュタルト
「なに、言って────」
ヴァン
「同族だと、言ったはずだが?」
ヴァン(M)
「同情だったのか、今でも解らない。でも、リヒュタルトを見ていると辛かった。泣いている赤子を思い出して──」
リヒュタルト
「……な…に?」
ヴァン(M)
「そして俺自身、もう国にはいられないだろうから。」
ヴァン
「ブラッディナイトメアの長、ヴァンだ。」
リヒュタルト
「長……?」
ヴァン
「そう。俺を殺せば、ブラッディナイトメアは滅びるんだよ……。」
(にや)
リヒュタルト
「……は?ハハハッ、なんの冗談だ」
ヴァン
「───……ふふっ」
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