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──回想終了──
──城──
リア(M)
「走った。城の中に誰もいないことが怖くなって。錆びた城、蔦が這う城。なんだ、なんだ?何が起きた?」
──城の外──
リア(M)
「まるで100年くらい手入れをしてない城のようだ。」
──森のなか──
リア(M)
「はやく、はやく……!!」
──丘──
リア
「────……ハァ、ハァ………………。」
ヴァン
「目覚めたか。」
リア
「兄…上……。」
リア(M)
「眠りにつく前に、会った記憶は間違いなかった……!」
ヴァン
「久しぶり、リア。大きくなったな」
リア
「兄上はお変わりない……ですね。」
ヴァン
「アーニャはどうした。」
リア
「……夢の中……で……」
ヴァン
「───……黒猫、か。」
リア
「…………。……兄上。お聞きしたいことが山のようにあります。」
ヴァン
「聞こうか。」
リア
「兄上は亡くなったとお聞きしていました。それに、あれから10年もたつのに何一つ変わらない。」
ヴァン
「リア。ブラッディナイトメアっていう本を昔読んでいたな。」
リア
「はい……。」
ヴァン
「ブラッディナイトメアは、遺伝子に関係なく生まれてくる望まれない血を持つ人間。稀ではあるが、高い能力を持っているためになかなか普通の人間は殺せない。」
リア
「不老不死なのでは?」
ヴァン
「不老であって、不死ではないが、不死という表現が似合うほど長生きというだけだ。何千、何億年立とうとも、変わらない姿のまま。自害やブラッディナイトメア同士では死なないぐらいだな。」
リア
「……そうですか。」
ヴァン
「女は11歳までに死ぬから、吸いとっているのかもな。それでだ、リア。ブラッディナイトメアの長が王族の人間が受け継ぐ。今の長は俺だ。」
リア
「まっ……待って待って」
ヴァン
「リア。お前には、長く眠っていてほしかったよ。」
リア
「どういうこと?意味がわからない……」
ヴァン
「お前が目覚めなければ、アーニャも死なずにすんだのに」
リヒュタルト
「夢ん中、行くとはねェ」
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