ファブラノヴァクリスタル

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消えゆくムインのもとへ、エトロがやってきました。ムインは世界の均衡を保つようエトロに伝え、混沌に飲みこまれました。 エトロは愚かだったので、ムインの言葉の意味がわかりませんでした。 孤独になったエトロは、混沌に飲まれていくだけの人間に親しみを覚え、人が死にゆく時、微笑み、混沌を贈りました。 人間は、エトロに贈られた混沌を『心』と名づけました。 心は力になるはずでしたが、人はまだそれを知りませんでした。 やがて人は、パルスを全能の支配者、リンゼを守護神、エトロを死神と考え、心という不可視世界を抱えて暮らすようになりました。 人が混沌を抱えることで、世界の均衡は、かろうじて保たれているのです。 クリスタルとなったブーニベルゼは眠り続けます。 永遠が終わるその時まで……
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