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“呪文”
先の儀礼、儀式魔術にて唱えられた“呪文”…これに何の意味があるのか?
見習い魔術師として修行中である貴方は、もしかすると、そこに疑問を持ったかもしれません。
東洋では“言霊”とも言われますが、もし呪文を唱えるだけで、魔術が使えるなら、誰でも簡単に魔術師になれますよね、しかし実際には“基礎技術”のような、地味な修行を最初にやらされました、つまり呪文だけでは効果は全く無いのは明白。
なら呪文とは何か?
『イメージを喚起する為のもの』です。
例えば『貴方の好きな花は?』と聞かれたら、貴方は“花”と言う文字では無く、好きな“花”そのものを思い浮かべる筈です。
これが呪文の役割なのです、己の言葉…呪文として口にした内容は、無意識に貴方にイメージを思い描かせます、もちろん意識しないと、そのイメージは一瞬の瞬きの間に消えてしまうでしょうが、魔術師として修行された貴方は、呪文にした言葉によって、そして著者が指示した手順のイメージにより、適切なイメージを思い浮かべるように訓練されてきたのです。
これの意味を理解していれば、呪文は無意味に長く唱えるものでは無く、自身に必要なイメージを強く思い浮かべさせる事、そして自らの願望、求める力に対する思いを、明確かつ強める事が呪文の役割だと理解できた筈です。
ですから儀式魔術の際に『我に金運を~』と呪文らしく唱えず、ひたすら『お金!金金金金金金!』と、…まあ、ちょっと端から聞いていると欲望丸出しで、聞き苦しい呪文ですが、間違いなく魔術師の願望を明確にし、大金を得たイメージが自然と思い浮かんでくる筈です。
もし思い浮かばないようなら、思い浮かべて下さい。
東洋における呪文、真言や経文なども同様に、その言葉の意味を理解していてこそ、その言葉から連想するイメージに“力”があります、だから、ただ経文を唱えれば良いと言う事ではないのです。
……さて、呪文については、こんな所でしょう、短い説明になりましたが、ご理解を頂けましたでしょうか?。
では、次に進みましょう。
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