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「…見てたの?」
うん、と楓は楽しそうににこにこ笑う。
「でも、見てた様子からして断ったみたいだね?相手の男ってサッカー部のイケメンでしょ?もったいない。なんで?」
「…別に、楓には関係ない。
てか、何か用があって来たんじゃないの?」
楓の言葉につい、頭がカッとなる。
胸が苦しくて、涙が出そうになる。
「……関係ない、ね。
別に、用なんてないよ。あったとしたら今済んだ」
そう言って楓はその場から去ろうとする。
え?用は今済んだって何が?
頭が混乱する。
「え、待ってよ。楓!」
私が呼び止めると、楓はこちらへ振り返った。
そしてまた前へ向き直って歩みを進める。
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