世界-1

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「どんな願いでも、いくつでも叶えてあげるよ。 ……君が死ぬまでは、ね」  可愛らしい顔の妖精はスカートのフリルを揺らす。 「死……」  その時の僕は両親の圧力が恐ろしく、そういったニュースを見るたびに自殺という選択肢が大きくなっていた。  それは普通、子どもの考えないはずのこと。  けれども、死ぬのは怖かった。  僕は普通の子どもではなかったけど、普通の人間だった。 「もし死にたいって言うのなら、苦しまないように殺してあげる。 きちんと天国にも連れて行ってあげるよ」  妖精は天使の笑みをうかべ、悪魔の言葉を囁いた。  天国……。  それは、魅力的だと思った。  けれども僕には夢があった。  普通の六歳らしい夢かどうかはわからないけど、確かにどうしても叶えたい夢だった。
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