第1章 闇にもたらされた3つ光

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少女グレイシーは暗黒に染まる空の下、森に薬となる薬草を探しに来ていた。 「ここにはミール草がないなぁ。もうちょっと奥の方に行ってみよ」 グレイシーは薬草を求め、さらに奥に進む。 「……あっ」 グレイシーは慌てて手で口を塞ぎ、木の後ろに身を隠すのだった。 その理由はグレイシーの視線の先にいる人と同じ知能・欲・言葉を持つようになったゴブリンたちの偵察隊がいたからだ。 今では勝手に薬草を森に採ることは禁じられ、もし偵察隊に見つかれば罰を課せられる。 グレイシーはゴブリンたちに見つからないように、目の前のゴブリンたちを見ながらゆっくりと後退りし、逃げようとしたときだった。後ろから両肩を掴まれ、振り向くとそこには偵察隊のゴブリンがいた。 「お前、ここで何をしている」 グレイシーは恐怖で声を出すことが出来ず、そのままゴブリンが何体もいるところへと連れていかれる。 「おい、どうしたんだその小娘は」 「さっきそこで見つけた。この格好からいくと薬草を採りに来たな」 「なるほどぉ、それは悪いことだ」 一体のゴブリンはニヤニヤとしながらそう言うとグレイシーに近づき、指で頬を撫でる。
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