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「え、えぇっとそれは…ここに来たのは病の母を直す薬草を採りに来たんです」
「薬草?薬草ってこれか?」
圭介はそう言いながらオレンジ色の花びらの花をローブの中から取り出す。
「あっ!そ、それですミール草。それを一体どこで?」
「ん?いや森の奥に一輪だけ咲いてたからつい、採ってきてしまったんだ。欲しいのならあげるよ」
「あ、ありがとうございます!」
ペコリと礼儀正しく頭を下げ礼を言い圭介からミール草を受けとる。
「それで私が襲われていた理由なんですが、本当にわからないんですか?」
グレイシーは誰でも知っていることをなぜか知らない紀人たちに聞き返した。
「ああ、俺たちがこっちに来たのは久しぶりだからさ」
「?…わかりました。ですが説明するのには時間がいるので私の家でお話しします。それに母に早く会いたいですから」
グレイシーは紀人が言った言葉の意味は理解できなかった。
だが助けてくれた人たちなので信じる価値はあると思い紀人たちを自らの家に導くことにしたのだ。
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