第1章 闇にもたらされた3つ光

7/17

1716人が本棚に入れています
本棚に追加
/297ページ
「ではこの森から出ましょう。私の家は森を出てすぐの村にありますから」 グレイシーはそう言って来た道を戻るように歩きだし、紀人たちもそれについていく。 「そうだ、自己紹介がまだでしたね。私はグレイシー・イルーシと言います」 「俺は永板紀人だ。紀人でいいぞ」 「俺は和成だ」 「俺は圭介。よろしく」 「えっと、ノリトさんにカズナリさん。それにケイスケさんですね。わかりました」 グレイシーは顔と名前を照らし合わせながら覚える。 紀人は昼間なのに不気味なほど赤い空を見上げグレイシーに訊ねた。 「なぁ、どうして空があんなになっているんだ?」 「本当に何もご存知ではないんですね。あの空は今からだいたい2年くらい前に大皇帝ヴァンリーが現れて、世界を支配するようになったときぐらいから、ああなり始めたんです」 「ふーん、なるほど。大皇帝ヴァンリー、ね」 「あっ、そろそろ森の出口ですよ」 グレイシーが言う通り、指差す方向には木々が途切れており森の出口があった。
/297ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1716人が本棚に入れています
本棚に追加