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レイナは恐怖に支配されそうになっていた。
もう何を信じたらいいのか判断が出来ない。
レイナは闇に包まれていくのを感じる。そんなとき1つの光がレイナに手を差しのべた。
レイナは自分の両手に温かくてホッと安心することができる手が置かれたのがわかった。
顔を上げるとそこには紀人がそっと優しい微笑みで言った。
「大丈夫、俺たちがあなたの最後の希望だから」
その光は本当の自分を支えてくれた。偽の感情が崩れていくが怖くはない。むしろ楽になっていく。
涙が溢れてくるのがわかる。
だけど、今ここで自分の感情を露にするのは家族に友に民に迷惑をかける。
だから、今は機会が来るまで待とう。
「もう、大丈夫」とレイナは紀人にしか聞こえないぐらいで呟く。
そして、紀人も何かを言おうとしたときルヴィルの言葉が遮った。
「なるほど、あなたの感情を見えない鎖で結び「時間だ!レイナ、こっちにおいで」
レイナは紀人の手をそっと離し、ルヴィルのもとに戻っていく。
戻ってきたレイナをルヴィルは右手で抱き寄せ、紀人と和成を睨み付る。
「よくも我が妃をたぶらかそうとしてくれたな」
ルヴィルはそう言うと片手を振るった。
すると、どこからか鎧を着たたくさんの兵が入ってきて、紀人と和成を囲む。
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