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「じゃあ私、学校行かないで働くよ!」 「それはダメだ!」 私が働くと言うと、それは断固拒否するお父さん。 「"智紗をちゃんと立派に育てる"って母さんと約束したんだ…。 だからせめて高校は卒業してほしいんだ…」 お母さんを思い出したのか、またうっうっと泣き始めた。 …もぅ…めんどくさいし意味わかんないんだけど。 「じゃあ何で【明秀学園】なわけ?」 明秀学園はとても綺麗な校舎だし、やる気次第ではそれなりの教養を身に付けることもできる学校。 だけど… 「男子校だよ!?」 そう。明秀は男子校なんです。 「そうだよ。でもね、そこの理事長がお父さんとお母さんの知り合いなんだ。 でね、あちらもちょうど共学の制度に変えようかと思っていたようでね。 今回、特待生として迎えるかわりに少し実験として学園生活の経過を見るという条件で 智紗を入学させることにした。」 なにそれ…。 私は実験台第1号ってこと…!? 「冗談じゃなっ…」 「わかってくれ、智紗」 反論しようとした私だったけど あまりにも真剣な目をしたお父さんを見ると もう何も言えなかった。 こうして私の明秀学園入学が決定したのだ。
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