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「じゃあ、行かないの…?」
美里のその問いかけに、コクリと頷き返事を返す。
「そっかぁ…」
顔を俯け、残念そうに呟く彼女。
罪悪感に胸がキュッと締め付けられた。
ごめん、美里…
私だって出来れば親友の誘いを断りたくはない。 でも、恐いんだ。
こんな感覚、初めてだから…
「ごめん…」
「仕方ないよ。渚の勘は良く当たるし。気にするなって!」
美里が笑顔を浮かべて、私の肩をポンッと叩く。
でもその笑顔はどこかひき攣っていて、無理をしているのは明らかだった。
――また気を使わせてる…
……やっぱ行くって言った方が、良かったかな…
でも、今さらそんな事思っても遅いよね…
もう断っちゃったし…
私たちの間に流れる、なんとも言えない気まずい雰囲気。
どうにかしてこの雰囲気を打破したい。
でも、なんて言ったら…
――刹那、そんな私の思いに呼応するかの如く、教室の扉が、勢いよく開かれた。
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