K。

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 そんなことを考えながら歩いていた私は、気がつくと思い出の場所にたどり着いていた。 随分と様子が変わってこそはいるが、思い出の地である事には何ら変わりがない。 なぜならここはかつて私が学んだ大学。 大学であるからには、当然それなりの苦労はあった。 だが、点が辛くはあったものの熱心な教授たちや、やれば出来る癖にいつも落第5分前の成績だった気のいい仲間たちと触れ合った日々の事は、今でも昨日の事のように覚えている。 そんな特権のような日々がいつまでも続くと思っていた当時の私は、今にして思えばとんでもなく甘い考えの持ち主であった事は否めない。 「みんな、俺はここに帰って来たぞ」 あの日に届く訳もあるまいに、ついそんな事を呟いてみる。 しかし、それに応えてくれた者は皆無であった。 これも私が犯した罪の報いなのだろうか…
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