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スコールは家族のために、王国のみならず彼からの深く頑なな信頼すら踏みにじった。
もう二度と、戻れないであろう祖国を想い空を見上げるスコールは、その頬に一筋の涙を流す。
自分は一体、何をしているのだと――。
いくら罪に、血に塗れようと、騎士としての誇りだけは、信念だけは失っていないつもりだった。
こんな自分にもチャンスがあるというのなら、もう一度だけ、……後たった一度で良いから、大切な家族と再び日の目を見たいと、一心不乱に生きてきたのだ。
暗殺や誘拐、あらゆる汚い手段を重ね、敵を作る毎日であったとしても、それでもスコールは、何とか死神の手から逃れ。そしてそれが降り下ろす鎌から逃げ延びて生きてきた。
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