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忠行「喜美の舞が変わってきたな」
正純「え? どういうことだ?」
jud.、と忠行は頷き解説を始めた
忠行「喜美の“高嶺舞”はな、相手の動きを己の舞に組み込む事で奉納のレベルを上げたんだ。見てみろ」
正純は喜美と二代をみて気付いた
動きが外に出るときは退き、動きが内に向くときは追うように突き込む
まるで、手を取っているように
そして、舞も攻撃動作に合わせて更に高速化する
二代「おおおおお!」
気合いの吠え声を上げる
その声に呼応するように、二代の速度が加速し始めた
次第に二代の速度は、喜美の舞に追い付きだした
舞のリードを奪うように、喜美を守護する流体が二代の蜻蛉切と衝突し、白の花が散り、音をたてていく
そして
遂に二代の蜻蛉切は喜美に届き始めた
喜美の肌には朱の線が幾つも走り出した
だが、喜美は、花は舞うことをやめない
やめず、高嶺の風に吹き荒ばれながらも、花は更に上を見た
歌が新しいループを刻む
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