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トーリは目を見開き、喜美を見た
そして、喜美はトーリの口から手を引き抜いた。その手は血に染まっていたが、トーリの口の周りを拭い
喜美「戻ってきた? いえ、………そうじゃないわね」
言った
喜美「アンタ、ホライゾンのところに行くことすら出来なかったのよ。この………愚弟!」
その言葉にトーリは顔を歪め、痩せ細った腕で目を隠し
トーリ「うあ、ああああああ!」
泣き出した
忠行「泣いた?」
忠行と浅間は驚いた。だが、忠行は二人に近付いていった
喜美はトーリを抱き締め
喜美「大丈夫よ、いい? アンタはこれからずっと、泣くように生きなさい。
笑うときも怒るときも、それが出来ない人を救いなさい。
人が生まれてから失ったり奪われたりしたものを、貴方は取り返す行き方をなさい。
私はそれを手伝ってあげる」
張り詰めた糸が切れたのか、喜美も泣き始めた
忠行は二人を包み込むように抱き締め
忠行「よかった、ホライゾンと同じところにいかなくてよかった」
声を押し殺しながら泣いていた
忠行「俺は………お前らを護る。もう誰も俺の前で失わせはしない」
更に強く二人を抱き締めた
二人は忠行に抱き付き更に声を上げて泣いた
そして、その日を境に忠行とトーリと喜美は変わった
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