「喫煙者」と「喫煙所」

2/2

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
一人の科学者によってその力が生み出されたことによって、世界の今までのありようが変わることになったのは言うまでもないことである。 偶然にも発見された小さなDNAの結合の違いから事は動き出した その小さな結合をもって生まれた新生児は、何の問題もなく成長し16になる頃には好奇心からタバコに手を出し始めていた。 そのほんの些細な悪さが引き金になるとも知らずに、 タバコを摂取した彼の体は突然変化した。具体的には、彼の身長、身体能力の向上、内器官、外器官の急速な発達などなど、、 わかりやすく言うならば、タバコは彼を常人から超人へと変えたのだ。 これが現在の「喫煙者」の始まり、第一号である。 そこから幾度となく重ねられる実験の日々、数えきれない失敗の果てに、ついに世界初の「喫煙者」を生み出すのに成功したのがわが国日本の極秘研究施設「seven star」である。 その後、喫煙者の人口的な生産を本格的に始動し始めることを日本国政府は正式に要請、国の第一級課題として進められる事となった 生産の主だった理由は国防の強化の為の新しい軍隊の編成、軍事力の強化であることは言わずもがなであった。 諸外国への技術提供をことごとく断り、技術の独占続けながら日本は独自の軍事力を編成していき、わずか3年ほどで喫煙者の数は600人を超えていた。 そこで日本国政府は新たな計画として、600人のうちの第一世代、第二世代(主に30~40歳)である喫煙者たちを中心に新生喫煙者育成機関を設立し、そこで一般教養から適正タバコの選択、銃器の使用方法にいたるさまざまな分野を学ばせる機関を創設した。 幼稚園から始まり、小、中、高、までの教育課程を学ぶのを表向きとした学園、それが「第一新東京都学園」俺たちの通う学校。 喫煙者だけのその学校を俺たちは通称、「喫煙所」と呼んだ。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加