4人が本棚に入れています
本棚に追加
私は一瞬その眩しい笑顔にクラッときてしまった。
女の私でさえクラッときてしまうのだ。周りにいた男子生徒は・・・
『ゴパァ!!』
周りの男子生徒のほとんどは何故か血を吐き出しその場に悶えながら倒れた。
恐るべし先輩の魅力。
「あら?みんなどうしたのかな?ごめんね篠崎さん、私の周りだと何でかこんなことしょっちゅう起こっちゃうの」
しかも自覚が無い辺りが特に恐ろしい。
神崎先輩が倒れている男子生徒たちの介抱をしようと近づいた時に一つの足音を私の耳は捉えた。
その足音は私のちょうど後ろで止まった。
私は何となく後ろを振り返り、足音の主の顔を見てみる。
その瞬間・・・呼吸が止まるかと思うほどの衝撃が走った。
そこにいたのは昨日私を助け、私の目の前で人を殺した少年だったからだ。
「先輩・・・むやみやたらに笑顔見せんなって言ってんでしょーが・・・いつもの十倍めんどくさい、つーかそれ以前に百倍ダルいことになるんだから」
「へ?何で笑っちゃいけないの?」
「全く・・・あんたは自覚が無いんですか?」
「何のこと?それよりこの子達を助けるの手伝ってよ~」
「気が向きましたらね」
私はその二人の会話を聞いているだけで何故か気分が悪くなってくる。
少年が私に気付き、目が合う、その瞬間に私の意識は私から逃げ出した。
最初のコメントを投稿しよう!