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「ああ、いたいた。先輩、委員長が呼んでましたよ」
「え?そうなの?じゃあここお願いね、恭くん」
「気が向きましたらね」
その返答を聞いた神崎先輩は何故かニコニコしながら保健室を出ていった。
私の目の前には昨日会った殺人少年が佇んで、私の顔をジッと見ている。
少年はハァとため息をつき、口を開いた。
「昨日は悪かったな。トラウマもんの現場見せて・・・」
そう言って彼は深々と頭を下げた。
「えっ、あのっ、そのっ・・・えーっと・・・」
私は突然の謝辞に困惑してしまい次の言葉を紡ぐことができない、そんな私を見かねてか彼は更に言葉を紡いだ。
「俺は黒崎恭夜(クロサキキョウヤ)、二年一組所属だ」
「あ、えーと・・・し、篠崎加奈子です。クラスは・・・・・・まだわかりません」
さっきまで気絶してたしね。
「まあ、直ぐに始業式だし、クラスもそん時にわかるんじゃないか?」
「うん、そうだね・・・」
何だこの状況!?私は昨日彼が殺人を犯したのを思いきり目撃してるでしょうが!そんな人と何で私は普通に話しているの!?
「いつもの十倍ダルい、つーかそれ以前に百倍面倒だけどやっぱ式には出なきゃな」
彼はそう言って保健室を後にする、意外と真面目な性格のようだ。
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