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「はい、行ってらっしゃい。」
俺は後ろから背中を押された。
「ちょ、おま、やめっ、止めて! お、落ちるから! 落ちちゃうから!」
「いいから行きなっさい!」
ドン!
思い切り後ろから突き落とされた。
「おわーあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ」
というわけで
ただいま、落下中。
天界歴二千八年 天空城・第三高等学院 大天使の間にて
それは、とある昼下がりのこと。
「お呼びでしょうか、大天使様。」
「うむ、呼んだよ。お前を呼んだのは他でもない。学校の成績がトップクラスみたいじゃないか。更に優秀な天使になれるよう、人間界で修行してきなさい。」
「そうですか、どれだけの期間ですか?」
「二年間だ。」
「結構長いですね。」
「修行だからな。」
「出発は?」
「明日の午後十二時だ。 それまでに荷物の整理等々を済ませておくように」
「分かりました。」
第三高等学院 生徒宿舎
「ねえねえ、聞いたよ! すごいね! 人間界に修行に行くんだよね!」
「なんだ、クリスか。 明日から二年間修行だ。」
「なんだとは何よ! いいなぁ~、すごいなあ~。」
遊びに行くんじゃないんだ。」
「わかってるわよ、そんなこと。でも、二年間も会えなくなるなんて、寂しいな…」
「ハハッ、お前も勉強頑張って成績優秀者になれば、人間界にいけるぞ?
まだ枠余ってるみたいだし、頑張れば人間界に行けるんだ。 もしそうなったら、あっちで会えるといいな」
「うん…」
「頑張れよ、待ってるから。」
「うん! 頑張ってね! すぐにそっちに行ってやるんだから!」
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