修行開始

2/10
前へ
/10ページ
次へ
「はい、行ってらっしゃい。」 俺は後ろから背中を押された。 「ちょ、おま、やめっ、止めて! お、落ちるから! 落ちちゃうから!」 「いいから行きなっさい!」 ドン! 思い切り後ろから突き落とされた。 「おわーあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ」 というわけで ただいま、落下中。 天界歴二千八年 天空城・第三高等学院 大天使の間にて それは、とある昼下がりのこと。 「お呼びでしょうか、大天使様。」 「うむ、呼んだよ。お前を呼んだのは他でもない。学校の成績がトップクラスみたいじゃないか。更に優秀な天使になれるよう、人間界で修行してきなさい。」 「そうですか、どれだけの期間ですか?」 「二年間だ。」 「結構長いですね。」 「修行だからな。」 「出発は?」 「明日の午後十二時だ。 それまでに荷物の整理等々を済ませておくように」 「分かりました。」 第三高等学院 生徒宿舎 「ねえねえ、聞いたよ! すごいね! 人間界に修行に行くんだよね!」 「なんだ、クリスか。 明日から二年間修行だ。」 「なんだとは何よ! いいなぁ~、すごいなあ~。」 遊びに行くんじゃないんだ。」 「わかってるわよ、そんなこと。でも、二年間も会えなくなるなんて、寂しいな…」 「ハハッ、お前も勉強頑張って成績優秀者になれば、人間界にいけるぞ? まだ枠余ってるみたいだし、頑張れば人間界に行けるんだ。 もしそうなったら、あっちで会えるといいな」 「うん…」 「頑張れよ、待ってるから。」 「うん! 頑張ってね! すぐにそっちに行ってやるんだから!」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加