■■■

4/4
前へ
/10ページ
次へ
損。 そんなこと思ったこともない。 イベントなんて人が大勢いてうるさいし、無駄に疲れるだけだ。 価値観が違うと言ってしまえばそれまでだけど、それでも俺はこいつと付き合っている。 ましてや伊東のようなタイプの人間は敬遠していたというのに、だ。 それには俺の特異体質が起因しているのだが、そこはもう他で散々語ったので割愛するとしよう。 「そうか……、そうだな」 そう呟いて俺は彼の日へと想いを馳せる。 楽しみ……なのかもしれない。 いつだって伊東といるだけで俺は幸せな気持ちになれるのだ。 伊東が傍にいる。 ただそれだけで疎んでいたものに豁然開郎、前向きになれるのだから本当に不思議なものだ。 気恥ずかしいのでそういった感情を表に出せない俺に、伊東は満面の笑みで、 「楽しみだな!」 と言った。      
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

748人が本棚に入れています
本棚に追加