748人が本棚に入れています
本棚に追加
損。
そんなこと思ったこともない。
イベントなんて人が大勢いてうるさいし、無駄に疲れるだけだ。
価値観が違うと言ってしまえばそれまでだけど、それでも俺はこいつと付き合っている。
ましてや伊東のようなタイプの人間は敬遠していたというのに、だ。
それには俺の特異体質が起因しているのだが、そこはもう他で散々語ったので割愛するとしよう。
「そうか……、そうだな」
そう呟いて俺は彼の日へと想いを馳せる。
楽しみ……なのかもしれない。
いつだって伊東といるだけで俺は幸せな気持ちになれるのだ。
伊東が傍にいる。
ただそれだけで疎んでいたものに豁然開郎、前向きになれるのだから本当に不思議なものだ。
気恥ずかしいのでそういった感情を表に出せない俺に、伊東は満面の笑みで、
「楽しみだな!」
と言った。
最初のコメントを投稿しよう!