618人が本棚に入れています
本棚に追加
「最っ悪」
そう呟かずにはいられない。
現在私は、体育館の前にしゃがんでいる。
どうすればいいというのだろう、こういう場合は。
入学式に途中から入る、なんて正直いくら神経が図太いと言われる私でも苦しい。
ここで式が終わるのを待つ?
多分、それが一番いい方法…というかそれしかない。
「今のうちに自分のクラスでも確認しとくか…」
「おい!!」
「!?」
どこからか誰かを呼ぶ声が聞こえ、一瞬自分が呼ばれたのかと思いビクッとした。
だが、どうも違うらしい。
周りを見渡すが、それらしき人物は見当たらない。
恐らくここから少し離れているが、私が聞こえる程に大きな声を出したんだろう。
誰だろう。
えらくガラの悪い、まるで喧嘩を売るみたいな声だったけど。
まったく、非常識だなぁ。
すぐ近くで入学式をやっているというのに。
あんなデカイ声じゃ、中まで聞こえたんじゃないの?
そんな事を思っているうちに、後方から数人の足音と声が聞こえてきた。
最初のコメントを投稿しよう!