最悪の日

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「最っ悪」 そう呟かずにはいられない。 現在私は、体育館の前にしゃがんでいる。 どうすればいいというのだろう、こういう場合は。 入学式に途中から入る、なんて正直いくら神経が図太いと言われる私でも苦しい。 ここで式が終わるのを待つ? 多分、それが一番いい方法…というかそれしかない。 「今のうちに自分のクラスでも確認しとくか…」 「おい!!」 「!?」 どこからか誰かを呼ぶ声が聞こえ、一瞬自分が呼ばれたのかと思いビクッとした。 だが、どうも違うらしい。 周りを見渡すが、それらしき人物は見当たらない。 恐らくここから少し離れているが、私が聞こえる程に大きな声を出したんだろう。 誰だろう。 えらくガラの悪い、まるで喧嘩を売るみたいな声だったけど。 まったく、非常識だなぁ。 すぐ近くで入学式をやっているというのに。 あんなデカイ声じゃ、中まで聞こえたんじゃないの? そんな事を思っているうちに、後方から数人の足音と声が聞こえてきた。
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