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「あぁ、新入生?」
それまで黙っていたチャラ男が声を出した。
「新入生?じゃぁ何でこんなとこにいんだよ」
「遅刻して、体育館入れないんでしょ?」
赤髪を完全無視し、小さい子に話すように少し屈みながら私に言った。
チャラ男、ナイス!!
チャラ男はひょっとすると、見た目通り普通の奴なのかもしれない。
私はもう完全に心の中で、彼等をあだ名で呼んでいた。
「はっ、入学式に遅刻って。鈍くせえ奴」
相変わらず口が悪い、おまけに頭も悪そうな赤髪は今だ突っかかってくる。
なんちゅう面倒くさい奴。
「はは、そうですね」
適当に笑い、流したつもりだったのだが、赤髪の薄い眉がぴくっと動いた。
「俺になんか文句でもあんのかよ」
それまで私の一番近くにいたチャラ男を遮り、赤髪が私の側に来る。
え、何?
何でこいつキレてんの?
私、そんな失礼な言い方…少ししたかもだけど。
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