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「なにが急いでだ…はぁ~、連絡してあっても玲子の奴突っ込んでくんだろうな~…ははは…はぁ~」
ため息ばかりしながら俺は駅にむかい歩き始めた。
でも、転校2日目で転校生がくるなんて凄い偶然だな。
しかも俺の家で面倒見るなんて。
そんな事を考えながら駅まで歩いると、今日はやたら警察官が多い事に気がつく。
交通安全週間でもないのに。
警察官「君!待ちなさい!」
1人の警察官がすれ違い様に話しかけてきた。
警察官「君、学校は?この駅周辺で今から間に合う学校はない。それにその制服見慣れない制服だね。少しいいかな?」
これが俗に言う職務質問というやつか…。
俺は警察官に学生証を見せ、事情を説明した。
警察官「なるほど。なら失礼した。気をつけて行くんだよ」
「はい。ありがとうございます。あっ、そういえば警察の方多いですよね?なにかあったんですか?」
警察官は辺りを少しうかがい。
警察官「ああ、別になんでもないんだよ…ただの見廻りみたいなものでね。たまたま多いだけなんだ。さあ、迎えがあるんだろ?早く行きなさい」
明らかに怪しい素振りの警察官を尻目に俺は駅へむかった。
「居ないな~、携帯番号わからないし。家に電話しても誰もでないし。最悪だ」
駅構内の柱にもたれながら独り言を言っていると、いきなり後ろから話しかけられた。
??「最悪な気分にさせてすいませんでした」
振り返ると俺と同い年位の子が、申し訳なさそうにこちらを見ている。
「…えっと…?」
??「あ、僕は《夏目 純(ナツメ ジュン)》といいます。秋人君ですよね?お母さんの方から特徴聞いてたんですぐに分かりました」
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